診療のご案内
鼻中隔延長術修正術
鼻中隔延長術の不具合を修正する術式です。
鼻中隔延長術修正術の適応がある方
- 1鼻中隔延長術を行ったが、まだ鼻先の高さや向きに不満がある方。
- 2鼻先が感染してしまい拘縮してしまった方。
- 3鼻先が曲がってしまった方。
- 4鼻先の形をもっと変えたい方。
鼻中隔延長術修正術とは
鼻中隔延長術は、以前の手術の修復の際にしばしば用いられる術式ですが、以前の鼻中隔延長術の結果に不満足な場合にも、鼻中隔延長術修正術として鼻中隔延長術のやり直しや微調整を行います。
鼻中隔延長術を受けたが、まだ鼻先の向きに不満がある
鼻中隔延長術を受けたが、もっと鼻先を高くしたい
当院の手術の特徴
鼻先の高さ、向きをしっかりと希望の方向に変化させることができます。
必要があればCT撮影を行い、内部の状態を確認いたします。
シミュレーションソフトを用いて、術前に理想の形を確認いたします。
手術は気道の確保を安全に行うため、全身麻酔下におこないます。
院内でCT撮影可能です。これにより迅速な診断が可能で、術後フォローアップにも有用です。
手術の方法
オープンアプローチから鼻先の以前の手術を把握するよう丁寧に剥離します。不要なモノは切除し、瘢痕を解除していきます。必要な延長軟骨の量と強度を予測し延長軟骨を採取します。鼻翼軟骨周囲の瘢痕を解除し鼻中隔軟骨に延長軟骨を好みの向き、延長方向へ固定し鼻中隔延長術を行います。
根本的にやり直す場合には、耳介軟骨や肋軟骨を採取し、鼻中隔軟骨のしっかりとした部分を探し、再度鼻中隔延長を行います。その際、鼻翼軟骨周囲に存在する瘢痕組織を可及的に切除し可動性を可能な限り得るようにします。
皮膚が薄くなっている場合には、真皮脂肪移植や筋膜移植を行います。
これまでの鼻中隔延長術の修正例では、感染による変形、移植軟骨の曲がり、延長方向が好みでない、太すぎるなどがあげられます。
移植軟骨を取り替えたり、軟骨で補強したりします。耳介軟骨で補える場合は耳介軟骨のみ採取します。耳介軟骨では足りない場合、肋軟骨を用います。鼻中隔延長術で形成した鼻先の向きの不満、高さの不満、丸さ、太さの不満など修正点をすべて改善するよう修正術を行います。
Case 1
鼻中隔延長術を行った後、感染や何らかの原因で強い炎症を伴って鼻先が拘縮してしまった場合、時期を待って肋軟骨移植による修正を行う方法があります。
拘縮し鼻先や鼻尖が後退している状態の改善を図るため、open approachから拘縮をできるだけ解除します。
肋軟骨で作成したL型フレームを移植します。
肋軟骨L型フレームを外側鼻軟骨と前鼻棘に縫合固定します。
鼻翼軟骨をL型フレームに引き上げ固定します。
必要に応じて鼻柱部分に軟骨移植を追加します。
鼻先を耳介軟骨や軟部組織でカバーします。
鼻中隔延長術修正術の参考文献・論文(references)
Complications of septal extension grafts in Asian patients.
Choi JY, Kang IG, Javidnia H, Sykes JM.JAMA Facial Plast Surg. 2014 May-Jun;16(3):169-75. doi: 10.1001/jamafacial.2013.2379.PMID: 24526131
Zhang Z, Yu Z, Song B.Br J Oral Maxillofac Surg. 2022 Nov;60(9):1159-1165. doi: 10.1016/j.bjoms.2022.06.004. Epub 2022 Jun 20.PMID: 35821177 Review.
Septal Extension Graft in Asian Rhinoplasty.
Hwang NH, Dhong ES.Facial Plast Surg Clin North Am. 2018 Aug;26(3):331-341. doi: 10.1016/j.fsc.2018.03.007.PMID: 30005789 Review.
鼻中隔延長術修正術 症例
GR 他院鼻中隔延長術修正術+隆鼻術+眉間プロテーゼ(特別注文プロテーゼ) 症例経過写真
3年半前に他院で鼻中隔延長術を受けていらっしゃいました。もっと鼻先を下に伸ばして高さを出したい、鼻の穴を見えにくくしたいとのことで、当院で鼻中隔延長修正術+隆鼻術+眉間プロテーゼ手術(特別注文プロテーゼ)を行いました。
IJ 他院鼻中隔延長術修正術+鼻背部軟骨移植術+他院鼻プロテーゼ抜去術 症例経過写真
他院で1年前に鼻中隔延長術、鼻尖形成術、I型プロテーゼを入れていらっしゃいました。長くなりすぎた鼻先を元の状態に戻したいとのご要望で、当院で他院鼻中隔延長術修正術+鼻背部軟骨移植術+他院鼻プロテーゼ抜去術を行いました。
- 費用(税込、麻酔代別)
- 他院鼻中隔延長術修正術¥660,000
- 鼻背部軟骨移植術¥330,000
- 他院鼻プロテーゼ抜去術¥165,000
- リスク・副作用(起こり得る可能性のあること)
- 腫れ、内出血、鼻出血、鼻づまり、鼻柱の傷跡、鼻先、耳介の知覚低下、鼻の傾き、鼻尖部の挙上ができない、鼻の形の左右差、鼻の高さの変化、鼻先の変形
鼻中隔延長術修正術の処置期間・アフターケア
《手術当日》
患部の状態
鼻の形を整え、腫れ・内出血を防ぐため、鼻全体をギプスで固定します。通常5日間固定し、処置の際に丁寧に外しますので、自分では外さないでください。もしも外してしまうと腫れが長引く、鼻先の形が変わってしまう、曲がるなどのリスクが、少し上がってしまいます。
鼻腔内にドレーンと呼ばれる溜まった血液を抜く管を挿入させていただくことがございます。溜まっていらなくなった血液や組織液を排出することで、腫れや内出血を最小限にする大切なものです。ご自身で抜いたり外したりしないでください。通常術後2~3日目に抜去します。
鼻孔にレティナという装具を縫合固定する場合があります。レティナは固定除去後も3か月間適宜ご自宅などでご使用いただく場合があります。
鼻腔内も青色の糸で縫合しております。通常は7日目で抜糸となります。
オープンアプローチで行う手術のため、鼻腔内および鼻柱に傷がある状態です。傷はギプスなどで保護しますので、外から見えたり触れることはありません。
鼻中隔延長術修正術の移植軟骨に、耳介軟骨を使用した場合は、耳に耳介血腫予防のための綿を縫合固定します。ご自身で取り外したりしないようにしてください。
移植軟骨に肋軟骨を使用した場合、胸部に防水シートによる保護を行います。
麻酔の影響により、のどが痛くなることがございます。通常数日で改善します。
プロテーゼを用いた手術の場合、腫れが目元に大きく生じることがありますが、数日で改善いたします。
術後処置・アフターケア
術当日帰宅直前に医師による検診があります。
帰宅直前に新しいドレーンに交換いたします。
ギプスの装着状態をチェックいたします。
抗生剤(細菌感染予防のため)・鎮痛剤(通常痛みは軽度ですが、念のため処方しています)・胃薬(鎮痛剤などによる副作用を抑制するため)を術後4日間内服していただきます。
日常生活
ギプスが取れるまでは、顔を水に濡らさないようご注意ください。シャワーは首から下のみ、ドレーンがついている場合は胸より下のみ可能です。入浴は1週間お控えください。顔は拭く程度にしてください。
ギプス・耳に固定の綿がついている間は、洗髪をお控えください。美容室などでギプス・耳に固定の綿を濡らさないように保護できるようでしたら、美容室などでの洗髪は可能です。
痛みに関しては、それほど強くないため通常の内服鎮痛剤で十分にコントロールしていただけます。
鼻血や血液が混ざった鼻水が出ることがあります。その際は、鼻をかんだり、ティッシュを詰めたりせず、優しく拭き取るようにしてください。
就寝時はクッション等を用いて上半身を高くして上向きでお休みください。うつ伏せ、横向きでの就眠は鼻にストレスがかかりますので禁止させていただいております。
手術後は腫れの影響で鼻づまりが起こります。元々の鼻中隔軟骨が左右対称ではなく少し傾いていることが多いので、左右どちらかがよりつまりやすくなります。
飲酒・喫煙は1週間程度お控えください。
《翌日~3日目》【点滴のためご来院】
患部の状態
鼻の創部はギプスを装着された状態です。
耳介の軟骨採取部には綿球が固定されています。
肋軟骨採取部は防水シートによって保護されています。
腫れのピークの時期です。目元まで腫れる事が多いです。腫れは7~10日である程度引いてきます。
鼻根部や眉間まで手術の範囲が及んだ場合には、目元や頬にも腫れが生じ、内出血で紫色になったり、黄色になることがございます。
術後処置・アフターケア
手術翌日、必要に応じ2日目以降もドレーンの状態を確認いたします。ドレーンからの排出量が少なくなれば抜去いたします。
手術翌日、2日目に抗生剤の点滴投与をいたします。
ギプス、耳介の綿球、創部の状態をチェックいたします。
手術当日に処方された内服薬を継続して内服してください。副作用などを疑うような症状があればお申し出ください。
日常生活
首から下のみシャワーを浴びることは可能ですが、入浴は1週間お控えください。
シャワーの際はギプス・耳の綿球が濡れないようにご注意ください。
鼻血や血液が混ざった鼻水が出ることがあります。その際は、鼻をかんだり、ティッシュを詰めたりせず、優しく拭き取るようにしてください。鼻をかむことは手術後1ヵ月間はお控えください。
横向きでの就寝、うつ伏せ寝、鼻を強く押さえることは術後3ヵ月間はお控えください。
《5日目》【ギプス除去のためご来院】
患部の状態
術後の腫れにより、鼻筋が太い、鼻先が丸いなど不自然さを感じる時期です。経過とともに、必ず腫れが引き改善していきます。
内出血が生じた周囲、頬などが黄色っぽくなります。個人差はございますが、通常1~2週間で自然に吸収され消失します。
一時的に鼻先などの感覚が鈍くなることがございます。経過とともに改善してまいります。
耳介軟骨を使用した場合、耳介の感覚が鈍くなる、しびれが出ることがございます。触ると圧痛がしばらくの間あります。経過とともに改善してまいります。
術後処置・アフターケア
医師による検診があります。
鼻を保護しているギプスを取り外します。
鼻柱部および耳介後面の抜糸を行います。
日常生活
術後5日目以降、洗髪・洗顔が通常通り可能になります。
術後は安静が必要です。激しい運動は1~2か月お控えください。
翌日(6日目)からメイクが可能です。鼻柱の傷が気になる場合には医療用コンシーラーのご用意がありますのでご相談下さい。
かさぶたは無理に剥がさないでください。
鼻血・鼻水は軽く押さえて拭き取るようにし、綿棒などは使用しないようにしてください。
鼻をかむ事は術後1ヵ月間はしないようにしてください。
《7日目》【抜糸のためご来院】
患部の状態
術後の腫れにより、鼻筋が太い、鼻先が丸いなど不自然さを感じる時期です。経過とともに、徐々に腫れが引き改善していきます。
内出血が生じた周囲、頬などが黄色っぽくなります。個人差はございますが、通常1~2週間で自然に吸収され消失します。
術後処置・アフターケア
鼻腔内の抜糸をいたします。
耳介軟骨採取部、肋軟骨採取部の抜糸を行います。
日常生活
術後7日目以降、通常通り入浴が可能になります。
鼻掃除、鼻をかむなどは術後1ヵ月はしないようにしてください。
鼻を触る、うつ伏せ・横向きでの就寝は鼻にストレスがかかるため、術後3か月間はお控えください。
横向きは耳の創部の痛みを生じることもありますので、仰向けで就寝ください。
《2週間目》【検診のためご来院】
患部の状態
腫れや内出血がかなり落ち着いてきます。傷跡の赤みがあるのは通常です。
耳を下にお休みいただくと痛みが生じますのでお控えください。
術後処置・アフターケア
医師による検診があります。
術後処置はございません。
日常生活
鼻をかむなどは術後1ヵ月しないようにしてください。また鼻を触る、うつ伏せ・横向きでの就寝は鼻にストレスがかかるため、術後3か月間はお控えください。
横向きは耳の創部の痛みを生じることもありますので、仰向けで就寝ください。
《1・2・3か月》【検診のためご来院】
患部の状態
徐々に完成に近づきますが、まだ浮腫みや腫れがございます。眉間の腫れがやや気になることがありますが、徐々に落ち着きます。
術後処置・アフターケア
医師による検診があります。
術後処置はございません。
日常生活
術後1ヵ月以降は通常通り鼻をかんだり、鼻掃除が可能になります。
鼻を触る、うつ伏せ・横向きでの就寝は鼻にストレスがかかるため、術後3か月間はお控えください。
横向きは耳の創部の痛みを生じることもありますので、仰向けで就寝ください。
《6ヶ月》【検診のためご来院】
患部の状態
ほほぼ完成となります。鼻の柔らかさもだんだんと出てまいります。
鼻づまりも改善してまいります。
術後処置・アフターケア
医師による検診があります。
術後処置はございません。
日常生活
すべて通常通り可能ですが、念のため鼻をぶつけたり、潰したりしないよう守るようにしてください。
鼻中隔延長術修正術 料金
鼻中隔延長術修正術(耳介軟骨を用いる場合) | ¥660,000〜¥990,000 |
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鼻中隔延長術修正術(肋軟骨を用いる場合) | ¥1,100,000 |
※価格は全て税込です。
鼻中隔延長術修正術 Q&A
鼻中隔延長術についての質問にお答えしています。それぞれの質問をクリックすると回答が見られます。
手術後の腫れはどのくらいでひきますか?
手術後およそ1週間でひいてしまいます。
お化粧はいつからできますか?
手術後通常5~7日間ほどで抜糸を行います。抜糸後に化粧を行っても大丈夫です。
手術は痛いですか?
手術は基本的に全身麻酔で行っておりますので、痛みを感じることはありません。
傷は目立ちますか?
鼻中隔延長術修正術はオープンアプローチにより手術を行いますので、鼻柱部分のみ表の皮膚に傷が残ります。ほとんどは鼻腔内を切開する形となります。
鼻中隔延長術修正術 術後経過・リスク・副作用・合併
起こりうる可能性のあることを列挙しております。当院ではこれらの症状を起こさないよう、それぞれについてしっかりと対策をとり、細心の注意を払い施術を行っております。万一症状が起きた場合にも対処法をご用意しております。症状の改善を図るよう全力で診療を行います。
術後経過について
- 手術後の腫れ
- 7~10日で引いていきます。仕上がりは約6か月です。
- 化粧
- 手術後、5~7日後に抜糸を行います。抜糸後に化粧をすることができます。
- 手術後の内出血
- 稀に発生することがあります。内出血が生じると鼻周囲が黄色っぽくなります。個人差はありますが、通常1~2週間で自然に吸収され消失いたします。
- 手術後の違和感
- 手術後に鈍い痛みや違和感を生じることがあります。多くの場合、数日で消失いたします。
- 傷跡
- 鼻中隔延長術修正術はオープンアプローチにより手術を行いますので、鼻柱部分のみ表の皮膚に傷が残ります。ほとんどは鼻腔内を切開する形となります。軟骨採取部位(耳介軟骨の場合は耳介後面、肋軟骨の場合バストの下)に傷が残ります。数か月は傷の赤みがあり、その後時間の経過とともに薄茶色から白い瘢痕に変化します。3~6ヵ月かけて、傷が目立ちにくくなっていきます。肋軟骨採取部には、6ヵ月程度専用テープを貼付いたします。
- 鼻先の感覚が鈍くなる
- 手術後、鼻先の感覚が鈍くなることがありますが、一時的なものがほとんどです。
- 鼻出血
- 手術後、鼻から出血がみられることもあります。鼻の穴を必要以上に弄ったり、指などを入れないようにして下さい。
- 鼻先が硬くなる
- 手術後、鼻先は軟骨移植のために硬くなります。左右方向は動きが出てまいりますが、上下方向は硬い状態になります。
リスク・副作用・合併症について
- 鼻づまり
- 手術後稀に鼻づまりが起こりますが。ほとんどの場合腫れが引くとともに症状が軽減いたしますが、改善されない場合、改善させるための手術が必要となることがあります。
- 感染
- 稀ですがどのような手術でも感染のリスクがあります。感染が起きた場合、抗生物質による点滴治療や、洗浄処置、膿がたまっている場合は小切開排膿を行い、場合によっては異物の除去が必要です。再手術は通常6ヵ月あけて状態が改善した後行います。その場合は肋軟骨を用いて手術を行う場合があります。
- 鼻の傾き
- 手術後稀に鼻が傾くことが起こりえます。皮膚の伸びが悪い状態で無理に高くすることでリスクは高くなります。必要に応じ修正手術で矯正いたします。場合によっては鼻の高さを低くする必要があります。
- 鼻尖部の拳上ができない
- 鼻先は軟骨移植を行うため、もともとの鼻より硬くなります。状態が落ち着くことで横方向の柔らかさは出ていきます。
- 傷跡が目立つ
- 傷跡が赤く盛り上がることがあります。傷の治りを良くするクリーム、注射、内服薬などで治療を行います。必要があれば切除再縫合で改善を図ります。稀に段差が残ることがあります。
- 鼻先が高すぎる
- 必要に応じ低くする修正手術をおこないます。
- 鼻が下向きすぎる、上向き過ぎる
- 必要に応じ向きを調整する修正手術をおこないます。
- 鼻の穴が目立つ
- 延長することで鼻柱が下に降り、鼻の穴が横方向から見えやすくなります。必要に応じ移植軟骨の出方を調整する修正手術をおこないます。
- 鼻の形の左右差
- 手術後に鼻の形の左右差が生じる事があります。元々の鼻の穴の大きさや形、手術操作の量や位置のわずかな差などが原因と考えられます。できるだけ左右対称になるよう行いますが、わずかな左右差については、必要に応じ修正手術で矯正いたします。
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