豊胸術を経験した人が乳がん検査で気をつけるべきこととは? | プリモ麻布十番クリニック 美容整形ブログ

豊胸術を経験した人が乳がん検査で気をつけるべきこととは?

Dr.大岩連載 バストコラム vol.7

最近では人気の女性タレントが乳がんであることを告白するシーンをよく見かけ、それに伴い乳がん検査を受ける女性が急増しています。30歳を過ぎたら2年に1度、40歳以降は毎年、乳がん検診を受けるべきと言われていますよね。一般的に乳がん検査には超音波検査とマンモグラフィーによる検査がありますが、豊胸術を受けた場合、これらの検査は受けられるのでしょうか。

ヒアルロン酸注入による豊胸の場合

ヒアルロン酸注入による豊胸術を受けた場合、その後のマンモグラフィー、超音波や触診、MRIすべての検査を受けることができます。ただし、ヒアルロン酸注入によってできるしこりが乳がん検査の際に誤った判断を招く可能性がゼロではありません。

 

ヒアルロン酸による豊胸の持続期間は1年程度。なかにはヒアルロン酸の豊胸を複数回受けているという方もいるかもしれません。複数回ヒアルロン酸を注入すると、手触りが硬くなるだけではなく、しこりもできやすくなります。

 

ヒアルロン酸注入の最大のデメリットともいえるのがこのしこりです。しこりそのものががんになったり、体に害を与えたりするわけではなないのですが、乳がん検査の触診や超音波検査でがんと区別が必要な場合があります。このため、フランスでは2011年から「乳がん検診の結果に影響を与える」としてヒアルロン酸による豊胸術が禁止されているほどです。

 

「ヒアルロン酸は吸収されてなくなるのでは?」と思うかもしれませんね。しかし実際にはヒアルロン酸が100%完全に消失するということは言い切れず、特にヒアルロン酸の周りに被膜ができた場合、しこりとなって長期間、体内に残ってしまいます。

 

ヒアルロン酸注入後はすべての乳がん検査を受けることができますが、豊胸していることを伝えた上で、できれば乳腺外科のある病院で検査を受けるようにしましょう。豊胸術についての知識が少ない医師が診た場合、誤診を招く可能性もあります。

脂肪注入を受けた場合の乳がん検査

脂肪注入による豊胸術を受けた場合はどうでしょうか。自分の脂肪を注入する方法はもっともリスクが少ないように思いますが、脂肪注入による豊胸術では石灰化が起こる心配があります。これは壊死した脂肪のまわりにできた被膜にカルシウムが付着したものです。

 

脂肪注入の場合も、マンモグラフィー、超音波や触診、MRIなど原則としてどんな種類の検査も受けることができますが、必ず検査を受診する前に医師や検査技師に脂肪注入による豊胸術を受けていることを伝えるようにしましょう。

 

石灰化は不純物の多い脂肪を注入した場合や脂肪を一か所に注入しすぎた場合などに起こると言われています。不純物を取り除くコンデンスリッチ法や技術レベルの高い医師の施術を受けることで、リスクを減らすことはできますが、完全に石灰化を防ぐことは難しいようです。

プロテーゼによる豊胸術を受けた場合の乳がん検査・生理食塩水のプロテーゼは?

シリコンプロテーゼの豊胸術を受けた場合について考えてみましょう。シリコンや生理食塩水のプロテーゼが入っている場合、万が一破損することを考えて、マンモグラフィー以外の超音波やMRIなどの方法で受診するようにしてください。

 

「プロテーゼがマンモグラフィーで破裂することがある」とよく言われていますが、マンモグラフィーの機械は一定の圧力が計測されると停止するように作られているため、破裂するような事態には至らないと言われています。しかし病院によってはマンモグラフィーの受診を断られることもあるようです。

 

例えば、「ヒアルロン酸豊胸術を受けたあと、シリコンプロテーゼを入れた」という場合、その旨を必ず伝えるようにしましょう。最近、よくある低吸収のヒアルロン酸をひとかたまりで入れている場合、プロテーゼを入れる際の手術で除去することができます。そのため、プロテーゼ挿入後はなくなっていることが多いようですが、その他の小さなしこりが残っている可能性は否定できませんので、過去にヒアルロン酸による豊胸とシリコンプロテーゼの豊胸術をしたことを医師や検査技師に伝えるようにしてください。

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✓ 過去にプロテーゼを入れていて、今度初めての乳がん検査を受ける

✓ ヒアルロン酸注入による豊胸術を複数回受けていて、しこりがある

✓ 昔入れた生理食塩水のプロテーゼが気になって乳がん検査を受けられない

まとめ

豊胸術の際、乳がん検査に関する質問をいただくことが増えています。どんな豊胸術であっても乳がん検査を受ける際には手術を受けた時期と、どんな手術を受けたかを申告していただく必要があります。

例えば、脂肪注入で石灰化した脂肪は超音波やレントゲン、MRI、CTスキャンなどに映ることがあります。低吸収のヒアルロン酸注入でできたしこりも同様です。

豊胸術を受けたことを黙っていると、こうしたしこりや石灰化した部分ががんでないかと疑われ、不要な再検査や痛みを伴う生検と呼ばれる検査を受けなくてはならなくなる場合もあります。

シリコンや生理食塩水のプロテーゼを入れている場合、マンモグラフィーの検査を断わられる場合があるようです。しかし超音波やMRI,PET,CTスキャンなどで乳がん検査を受けることはできます。ただしMRIやPETは検査費用が高額ですし、本来は異常が認められたときの精査に使用されるものです。まずは超音波での検査を受けてみるのがいいでしょう。ご希望があればこうした病院を紹介することもできます。

豊胸術を受けている方は年々増えていますので、受診をためらわないで頂きたいと思います。なかには医師から不快な言葉を投げかけられることもあるかもしれませんが、気にしないこと。嫌な思いをしないために事前に豊胸術を受けていても乳がん検査を受診できるか確認してみてもよいでしょう。

このページに出てきた用語集

生理食塩水プロテーゼ

人間の体液に近い生理食塩水で作られたプロテーゼ。万が一、破損して体内に吸収されても安全といわれていたが、触り心地が不自然、中身が漏れてプロテーゼの入れ替えをしなければならないといったデメリットがあった。現在ではほとんど使われていない。

コンデンスリッチ法

脂肪注入による豊胸術の一種。コンデンスとは濃縮という意味。アメリカの厚生労働省にあたるFDAの認可を受けた機器で吸引した脂肪を空気にふれないようにして遠心分離し、石灰化や脂肪壊死の元となる不純物を除去してから、バストに注入する。良質で健全な濃縮脂肪細胞(コンデンスリッチファット)のみを注入するので、脂肪の定着率も高くなると言われている。

PET

FDGという薬剤を注射してから、全身を撮影することでがん細胞の有無を検査する方法。陽電子放射線断層撮影法とも呼ばれる。費用は10万円前後と高額。乳がんは見つけやすいと言われているが、本来、血液検査によって腫瘍マーカーがあがった際に、がんがどこにあるのか見つけるために行うことが多い。


Author 美容形成外科医 大岩 医師 ブログ

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